今週、2冊の本を並行して読みました。
1冊目は、木村秋則氏の「すべては宇宙の采配」と、
2冊目は、V・S・ラマチャンドラン氏の「脳のなかの幽霊」。
木村氏は、不可能と言われた無農薬、無肥料でのりんご栽培を実現した方で、
その実現に至るまでの体験を綴ったのがこの本「すべては宇宙の采配」になります。
V・S・ラマチャンドラン氏は、カリフォルニア大学サンディエゴ校の
脳認知センター教授、所長、同大学心理学部神経科学科教授。
視覚や幻肢の研究で知られ、興味深い症例を紹介しながら
脳科学の可能性に迫っていくのがこの本「脳のなかの幽霊」です。
木村氏の本では、彼のりんご栽培成功までの凄まじい体験と共に、
UFOや超常現象の体験にもかなりのページを割いています。
「すべては宇宙の采配」のなかで、彼の主観で語られる体験は、
真実であることに疑いはありません。しかし、「脳のなかの幽霊」を読むと、
脳がどのように超常的な体験を創り出すかが見えてきます。
ラマチャンドラン氏は、幻肢という事故などで失った、
実際には存在しない手足の感覚や痛みに悩まされる症状や、
脳に出来た動脈瘤によって本物よりも本物らしい幻覚を
毎日見るようになった患者、そして、宗教的な恍惚状態や、
神が直接語りかけてきたと主張する側頭葉てんかん患者の症例から、
科学と哲学の最大の難関である、自己の本質に近づいて
いくことができるのではないかと指摘しています。
面白いのが次の文で、
「視覚は単に脳内のスクリーンに像を送っているのではなく、
眼球のなかでゆらめく断片的なはかない像をもとにして、経験から
わりだした推測をするという、驚異的な能力をもっている。
その具体的なあらわれの1つに、
視覚像のなかにある不可解なギャップに対処する、驚異的な能力がある。
たとえば柵の向こうにいるウサギは、ウサギの断片の連続ではなく、
柵の縦杭の後ろにいる1羽のウサギに見える。
つまり、心がウサギの欠けている部分を補ったのである。」
この様に、視覚とは、単に見たものを映しているだけではなく、
脳がかなりのイメージを創りだしているようなのです。
そう考えると、UFOや超常現象体験なども脳が創りだしたイメージに他ならないと
言えなくもないでしょう。
ただ、現代科学で説明できないことはもちろん存在するでしょう。
しかし、私達は科学の全てを知っているでしょうか?
最先端の脳科学等はかなり進んでいるようですし、少し前に説明できなかったことが
今は当然のことになっているかもしれません。
最後に、木村秋則氏の「すべては宇宙の采配」でUFOの体験等が語られていますが、
この本で重要なことは、その体験が本物か幻覚かではありません。
極端な話、体験の真偽はどちらでもよいのです。この本で本当に大切なことは、
木村秋則氏が信念を持って自然の声に耳を傾けて突き進んできた体験を通して
語っている、物事の本質を理解するということなのではないかと思います。
木村秋則氏は本書のなかで、こう言っています。
『思いや、気持ちの持ちようで、
いくらでも物事を変化させられる。』
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