2013年3月12日火曜日

花粉の季節 ヨーガのテクニックで花粉症対策

毎年この時期、厳しい冬の寒さから抜けて温かい春へ移行する喜ばしい季節のはずなのに、
花粉症の皆様はそう素直に喜べる季節でもないようです。

ハタ・ヨーガには、クリヤーと呼ばれる身体浄化技法があり、
その中にジャラ・ネーティという鼻洗浄の技法が存在します。
鼻の汚れを除去し、風邪の時の鼻粘膜の炎症改善等に効果があることが知られていますが、
花粉症の予防、症状軽減にも効果があるようです。

今回はジャラ・ネーティについて紹介していきます。


~ ジャラ・ネーティ ~



 ジャラ・ネーティとは、ハタ・ヨーガでクリヤーと呼ばれる身体浄化技法の中の1つです。
 クリヤーは次の6部門に分類されます。
  1. ダウティ     :消化器系上部
  2. バスティ     :消化器系下部
  3. ネーティ     :鼻腔
  4. トラータカ    :眼
  5. ナウリ      :腹部全体
  6. カパーラバティ :呼吸器系
 ジャラ・ネーティは3番目に入りますね。

 それでは、クリヤーの目的とは何でしょうか。
 目的は大きく分けて2つあります。
 1つ目は、身体の内部組織の反射反応のバランスを整えること。
 2つ目は、生理的バランスを維持すること、また免疫機能を正常に保つということです。


 次にジャラ・ネーティの効果ですが、
  • 鼻の汚れ(花粉や細菌)を除去。
  • 過度な鼻水の排泄。
  • 風邪の時の鼻粘膜の炎症改善。
  • 鼻の感覚器官を活性化。
  • 視力の改善。
 等になります。視力の改善というのが興味深いですね。


 それでは、これから実際のやり方について紹介していきます。

 準備する物は、ネティポット、塩(出来れば天然)、温水、タオル、
 そしてグラスにティースプーン1杯程の塩を入れ、ぬるま湯で溶いて用意します。

図1.ネティポット


 用意が出来たら、次の要領でジャラ・ネーティを行います。
  1. 用意した塩水をネティポットに注ぎます。
  2. 少し前のめりで洗面所の前などに立ちます。
  3. ネティポットを一方の鼻の穴に差し込みます。そして、差し込んだのと反対側に身体を少しゆっくりと傾け、水が鼻から重力によって出てくるまで保持します。
  4. 口は常に半開きの状態で、ゆっくり口で呼吸します。
  5. 水は上鼻道から下鼻道を通って出てきます。
  6. 頭を僅かに前のめりにすると、水は口にいきません。
  7. ポットの半分くらいの塩ぬるま湯を使ったら、まっすぐに立って、カパーラバティの要領で3~5回程両鼻から息を吹き、塩ぬるま湯と鼻水を排出します。次に親指で軽く上になっていた方の鼻を塞ぎ、片方の鼻のみで同様に息を吹き出します。
  8. 反対側も同様に行います。
  9. 最後に、鼻の奥の温水を出しきるために、10~15秒程パーダ・ハスタ・アーサナ(図2)を保持してから起き上がります。2回程繰り返して下さい。時間があれば、しばらくマカラ・アーサナ(図3)で休んでおくと自然と温水が鼻から出てきます。
図2.パーダ・ハスタ・アーサナ


図3.マカラ・アーサナ
以上が実際のテクニックになります。

 ジャラ・ネーティは、早朝(出来れば日の出前)に行うのが効果的とされています。
 しかし一般的な社会人で早朝が難しいという方は、帰宅後の夕食前が良いでしょう。
 要は身体がなるべく空腹で何も入っていない状態が好ましいということです。

 また、就寝前に行った場合、副鼻腔内に残った水分によって
 中耳炎などのトラブルを引き起こす危険があるので控えた方が良いでしょう。


 蓄膿症や中耳炎を患っている方や後鼻漏がある方は、医師のアドバイスに従って下さい。
 下記リンクに医師からの注意点があります。参考にして自己責任で行なって下さい。