2013年1月11日金曜日

アジア、男女格差の現状

先月デリーの事件以来、アジアでの女性差別の記事を頻繁に目にするようになった。
このAFPの記事もそうだ。

"「魔女狩り」被害に遭う下層民の女性たち、ネパール"

南アジアでは「魔女狩り」の事件を度々ニュースで見ることがある。
インドのビハール州等では、いまだに「魔女狩り」が行われていると聞く。
この記事にもあるが、インド、ネパールではいまだにカースト制の影響が濃く、
さらに父権社会であることから、ことさら下層民の女性の地位は極めて低い。
ほとんど人間扱いされていない場合も多いようだ。

それでは世界の中で、アジア女性の地位はどうなのだろう?

世界経済フォーラムによる2012年世界男女格差報告を見ると、
日本の男女格差指数は135ヵ国中101位。先進国で最低水準だ。
先月の大統領選挙で初めて女性候補(朴槿恵)が当選した韓国でさえ108位。
韓国の状況に関しては、CNNの次のような記事もある。

”韓国で女性大統領誕生、しかし男性優位の状況は変わらず?”

不思議だが、インドは105位で韓国より上位だ。
これには人口や男女の人口比による要因もあるだろう。

インドよりカースト制による階層が根強いといわれるネパールは123位である。

ちなみに、中国は69位、タイは65位、アジアで一番上位はフィリピンで8位だ。
上位3ヶ国は上から、アイスランド、フィンランド、ノルウェー。


当然、男女の権利や機会は平等であるべきだと思う。
ただ忘れないでおきたいことは、男性と女性は同じではないということ。
男性と女性では体の構造はもちろん異なるし、思考パターンにも違いがあるだろう。
いくつもの事を並行してこなせる女性が多いのに対し、
多くの男性はそういったことは苦手で、代わりに一つの事に集中するのが得意だったりする。

大切なことは、男性と女性がお互いを違うのだという認識を持った上で、
お互いを思いやるということなのではないだろうか。

男性でも女性でも、カーストの違うものどうしであっても、
お互いが慈愛ある心で接して欲しいと願う。

2013年1月6日日曜日

インドの女性地位向上は実現できるのか?

インドのニューデリーで前月16日、23歳の女性がバスの車中で暴行され死亡した事件が
インド国内はもとより世界中でニュースとなっている。

”AFPBBニュース「インド女性暴行死事件、恋人男性が絶望を語る」”

この事件に対してインド全土で抗議デモが続いている。

私は2009年に2ヶ月程ニューデリーに滞在した経験がある。
ディフェンス・コロニーという地区にある知人の家に居候して、
カイラッシュ・コロニーという地区にあるヨーガ・センターに通っていた。
センターまでの往来はバスを使った。日本円にしたらオートリキシャー(三輪タクシー)でも
十分安かったが、バスは別格で安い。
当時はセンター近くまでバスで片道7ルピーだった。日本円で11円程。激安だ。
バスは日本では考えられないぐらいくたびれている。まさにボロボロだ。
バスに乗るのは本当に所得の低い層の人達だ。
ある日帰りにバスを降りる時に後ろから肩を叩かれた。ふと振り返ると
居候させてもらっている知人宅のお手伝いさんだった。そういう人達の移動手段なのだ。

私が通っていた時も柄の悪い連中が乗っていた時があった。
私の移動距離は20分程だったので身の危険を感じたことは無かったが、
そういう悪い連中が起こした今回の事件は許し難く、残念でならない。
ニュース記事を読んでいると気分が悪くなる程酷い事件だ。

インドでは基本的に男系社会であり、女性の地位が低い。
加えて男女の人口比が110.6:100と男性の人口が多いことが
結婚にあぶれた男性を増やし、レイプ犯罪増加に繋がっているとの見方もある。

インドでは伝統的文化的な背景から男児が好まれる傾向にあり、
女児が生まれると間引かれることも今だに地方では行われている。
このことも女児の死亡率を上げ男性人口の増加の要因となっている。

今回の事件で、インド全土で女性の地位の向上を求めて抗議デモが行われているが、
一般の人々の間にも今だにカーストのような階層が残っているのに
女性の地位向上を求めて意味があるのだろうか?その前にやらなければならないことが
山ほどあるのではないか?と思ってしまう。

しかし、インドは広大であり、その疑問も吹き飛んでしまうような活動が存在した。
女性の地位向上に貢献し、成果を上げている素晴らしい人達がいる。
時間がある方は是非この記事を読んで頂きたい。

Wired.jp ”最貧国の闇を照らす、女性のための「ベアフット・カレッジ」”

インドでは、今回のような酷い事件ばかり起きているわけではない。
女性の地位向上や人々の幸福を願って努力している素晴らしい方々が沢山いるのだ。

多くの覚者を輩出している雄大な国インド。
全ての人々が平等な機会を与えられる国つくりを願う。

全ての人々が幸福でありますように・・・